レンズの社説 6本目

寒さも増し、遂には2024年が終わろうとしています。

今回のレビューは…

SP AF17-50mm F/2.8 XR Di II VC LD Aspherical [IF] です。

2009年発売の、APS-Cサイズ専用の標準ズームレンズです。35mm判で25.5mm〜75mmをカバーします。

D500で見ていきます。条件はいつも通り、スタンダード(SD)、LightroomでRAW現像。

なお、思いつきを形にするために急ぎのレビューです。使用を重ねるうちに思想が変動するかもしれませんがご容赦下さい。それに伴い文章と作例が増えるかもしれません。

1/40sec f/2.8 ISO160 31mm
SD 4700K

初っ端から中域の開放です。ピントは通路の奥あたり。中央はよく解像しています。画面右左端を見ると甘いのが見えます。深度で誤魔化せないAPS-Cだからこそこの辺りは目くじらに繋がります。

1/50sec f/2.8 ISO3200 17mm
SD 3850K +マゼンタ(+40の値)

これは広角側いっぱいで開放。ピント面まではせいぜい3m離れていないと言ったところ。思った以上の結果でした。これでは咄嗟に責められてもさほど怖くありません。しかし右側はやはり気になります。

1/2500sec f/2.8 ISO100 50mm
SD 5000K +マゼンタ(+10の値)

少し距離を取ってテレ側開放です。中心でもヤワです。四隅の流れと光量落ちが見受けられます。

1/3200sec f/2.8 ISO200 50mm
SD 5000K +マゼンタ(+10の値)

流れ作業の取材なので、水平が取れていない点はご容赦下さい。

コントラストは良好に残っている印象です。

1/1000sec f/4 ISO100
SD 5000K +マゼンタ(+14の値)

適正より弱オーバーで中間寄りに。

一段絞れば中心付近はしっかり出ます。ここが頼りになるポイントです。しかしこれも被写体との距離にもよります。

1/80sec f/7.1 ISO8000 50mm
SD 3950K +マゼンタ(+35の値)

高感度を乗せてもさほど潰れません。距離を取った被写体でこの結果であれば、解像力もあります。ここからどのくらい絞りを開けるかが争点になるでしょう。そこらのキットレンズとの違いはここです。詳しくは後述します。

1/125sec f/7.1 ISO25600
SD 3850K +マゼンタ(+20の値)

さらに感度を上げます。いくらD500とはいえしんどくなってくる頃合いですが、ここまできても歩道橋の手すりをなんとか描写します。近い被写体であれば…ということを考慮すれば、もうこれで元が取れたも同然です。

1/5sec f/2.8 ISO800 40mm
SD 4050K +マゼンタ(+25の値)

VC(手ブレ補正)のおかげで、さらに露出を稼ぐことができます。

1/40sec f/7.1 ISO800 17mm
SD 4050K +マゼンタ(+25の値)

これ一本をつけておくだけで撮影の機会が広がります。フロントキャップを外した瞬間から撮影が始まっています。

1/8000sec f/4 ISO800 (50mm)
SD 5200K

一段絞った場面です。中央の解像は十分ですが、周辺を見ると気になります。

1/60sec f/2.8 ISO800
SD 4500K +マゼンタ(+20の値)

人工灯は、主にハレーションで逃す印象です。(あくまで印象)

まだゴーストが出る場面に遭遇出来ていませんのでこの辺りはまだ調べております。

以下2枚続きます。

1/125sec f/2.8 ISO400 17mm
SD 4300K +マゼンタ(+30)

同じ写真を別にRAW現像しました。上が通常通り現像したもの。下がLightroomにて“レンズ補正”の項目を適用したもの。ワイド側に限りますがこれだけ歪みます。

まとめます。

今回のメインはこちらです。喋りたくなったのでレビューしております。ほとんどメモ代わりですのであくまで参考程度にどうぞ。

投入経緯とか。

いつもの某氏とカメラ屋を巡っておりましたところ、最後の最後で欲しいものに当たってしまい、遂には購入してしまった次第です。

と言いますのも、AF-S18-70/3.5-4.5Gが7月に故障し、D500につけてやる標準がいなくなるという困った事態になっていました。さらにはまともな標準レンズを持っていませんでしたから、流石にしんどい思いをしながら撮影をこなしておりました。

しかしまあ世は巡り合わせと…

そんなタイミングで出会ってしまったのでウチの子にしました。

要するに“コレさえあれば外出できる”という一本が欲しかったわけです。コストは多いが、D600よりも基礎体力があるD500を起用するためにはせめてもAF-S18-70/3.5-4.5Gのようなレンズが必要でした。換算して28mmは欲しいの意味も込めて、11月の撮影仕事(荷物は極限まで減らさねばならない)ではD600にAF28-70/3.5-4.5DとS・C55/1.2が登板。しかし、フイルム設計では幾分か無理がありますし、なによりもあまりにチャチですから、この体制にも限界を感じておりました。

この2本をニコイチしてD500にフィットするのがこのレンズのようなものという結論は、買う前より出ていました。画質の担保という意味でのプラス一本の単焦点すら必要としないので、やはり大口径ズームは必要なのです。

魅力と短所。

どんどん書きます。

まずは触れるわけにいきません。このレンズはf/2.8通しです。さらにはVC(手ブレ補正)が入っています。あとは大口径らしくそこそこの解像力を持ち合わせています。

もう一つ。ズーム全域で0.29mまで寄れます。

レンズの全ては撮影結果に回帰しますが、これらはそもそもの根底の部分、“撮影機会の増加”をくれます。

そこらのキットレンズでは開放f値がせいぜいf/3.5程度ですがこちらはf2.8です。もうこの時点で2/3段露出が稼げます。さらには手ブレ補正も入っていますから、シャッタースピードを落として、感度を落としたり、少しでも絞って周辺を出したり…と考える“余裕”をくれます。このレンズをわざわざ購入するメリットはここです。

さらに解像力を持つのであれば、感度の妥協点を少しでも引き上げることができます。最短に関しても同じで、総じてやはり“余裕”をくれます。

さらにこれは筆者の話になりますが、D500との組み合わせであれば、同じAPS-Cカメラとキットレンズの組み合わせに対して、計り知れないアドバンテージを得ることができます。

使った感触として、コレさえあれば外出できる、は本当で、変に荷物を増やして苦しい思いをする必要はありません。前述した事例のように、レンズ二本で行った撮影に対してこのレンズ一本で完結させることができます。これは被写体と状況にもよりますが。

更に“撮影機会の増加”という観点において。脳内でこれは抑えたい、これは撮っておきたい、と思った瞬間に形にするのは絶対に大切なことです。それをレンズを付け替える手間なんかで諦めてしまったら、その瞬間に一つの得られたはずの結果が消えてしまうわけです。しかしレンズを付け替える手間を毎回毎回掛けていると、今度は時間に追われてしまい、しまいには本命の撮影を諦めなければならない場合や、目的地への到達が叶わない事例が生まれ出します。遠征などが特にそうで、本当に限られた時間の中で撮影をしているのです。そんな中で、少しでも拾えるものを増やすためには、このようなレンズが必要となってくるわけです。

何よりも、画質と実用性のバランスがよく、非常に使いやすいことから、衝動買いしてしまいました。フィルター径が72mmでも、それほどフロントヘビーではなく、取り回しの良さも気に入りました。

短所のほうも。

こちらはそんなに長々書くほどありません。作例をご覧いただければお分かりになると思いますが、どれもこれも大体一段以上絞っています。これは周辺が出ないからです。とにかくf/11くらいまでなら絞れるだけ絞った方がよろしいです。その上でf/2.8は飛び道具の認識です。軸上収差もわりと抜けきらない部分があります。

また、広角側の歪曲収差がそこそこにあります。サードパーティ製ということで自動ゆがみ補正は適用できません。Lightroomのレンズ補正の項目で完全に補正出来ますが、撮影時に気になってしまうのは仕方のない点です。あとはAFもVCも、それほど早くはないです。速射性が良くないのは致命的ですが、ここはユーザの力でまだなんとかなる部分。手ぶれ補正はどうしても露出が欲しい時のために封印しておくと良いです。

なんというべきか、なんともタムロンらしい一本です。ニコン機に限れば、これ以外の候補が、シグマか純正の17-55/2.8Gになります。手ブレ補正だったり、設計の新しさを踏まえれば選択肢は自ずと限られてきます。

しかしテレ側は換算して75mm(1.3クロップを含めて換算100mmに満たないくらい)ですので、筆者としても足りないと思う場面が少しありました。

ですので、よりテレを確保したいのであれば、他のレンズも候補となりますが、これ以上となると広角側を犠牲にするか、2.8通しを犠牲にするかとなります。良くも悪くもバランスが取れたのがこのレンズであると考えています。それも踏まえてこれさえあれば出掛けられる、という安心感をくれます。

眠くなってきたのでこの辺りまでにしておきます。

何より伝えたいのは、バランスが良いことです。

これから買う人向け。

もしAPS-C機をお持ちで、手頃な標準をお探しの方にはお勧めしたいです。少し重たいですが、お金を払うだけのリターンがあります。最短のおかげで物撮りでもストレスフリーです。

きっとすこし慣れてきたユーザーこそ楽しめると思います。

メイン級のフルサイズ機をお持ちでサブでAPS-Cを運用しているような方は、サブ専用であることをよく確認してそれでも投入の必要を感じたら容赦なく購入して良いと思います。しかしながら、上位互換に24-70/2.8が居ることもよくお考え下さい。

念を入れて申し上げておきますと、このレンズはAPS-C専用サイズです。

こんなところにしておきます。またきっとなにか書き足していると思いますので、最終編集日の日付をここに記しておきます。

2024/12/31

ちなみにこのレンズは自重落下防止にズームロックスイッチがあります。筆者の個体はそれほど気になりませんでしたが…

おまけ。

レンズのスイッチ類です。SPの銘板があり、いつものカバンの中で勝手に切り替わるスイッチです。(所持しているA005よりはマシ)

SP AF 17-50mm F/2.8 XR Di II VC LD Aspherical [IF]

  • 焦点距離…17~50mm(35mm判で25.5~75mm)
  • 手ぶれ補正…4段
  • 開放f値…f/2.8
  • 最小f値…f/32
  • 絞り羽根…7枚
  • 最短撮影距離…0.29m(全域)
  • レンズ構成…14群19枚
  • フィルター径…72mm
  • レンズフード…AB003

Posted in ,

コメントを残す

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう