レンズの社説 14本目

早いうちにいきましょう。

ストラップかっこいい

AF-S NIKKOR 28mm f/1.8Gです。ふと買い物に行って、個体があれば買おうと決めていたところ、某中野のお店に良さげな個体があったので連れて帰ってきました。

D750で見ていきます。ここだけ失念しており、特記以外は自動ゆがみ補正がONになっていました。LightroomでRAW現像。

1/1600sec f/4 ISO100
SD 5300K

まずは実用ラインを探します。ほぼ最周辺を除けば十分な線です。筆者はGタイプ単焦点は初ですので世代を感じています。

1/1600sec f/2 ISO160
SD 5600K

わずかに絞った状態です。ピント面は優秀と思います。距離感のぐあいを探っていた段階です。ヴィネットコントロールは標準ですが、多少は周辺減光が見受けられます。

1/400sec f/1.8 ISO100
SD 5000K

被写界深度をうまく使えば標準レンズのように見せることも出来ます。

非常にヌケがよく、この辺りはさすがと感じています。

1/640sec f/1.8 ISO400
SD 5200K

透明感が良い画面で、撮影時よりもパソコンのモニターで確認して驚きました。

1/4000sec f/1.8 ISO2000
SD 5500K

ここは少し弱点と見えましたが、近距離時の収差は少し気になるところがあります。(特に後ぼけ)

この辺りは気をつけつつ、編集ソフトの使い所であると見ています。

最も絞ってやれば良いのですが、シャッタースピードを稼がねばならないとなれば少し躊躇する点だと思います。

1/500sec f/3.5 ISO400
SD 5400K +マゼンタ10

難しい画面です。単に手前から奥だけでない奥行きがあります。画面上では手前の木の枝まで抱えています。仰角気味で構えても、パースを使うことで閲覧者への見え方をコントロールしています。広角レンズの難しさがよくわかる作例です。描写の話をすれば概ね突っかかるところがありません。納得がいきます。

1/250sec f/1.8 ISO125
SD 5000K

レンズのテイストとしてはこういう画面の方が得意かもしれません。なんともここは世代を感じますし、レンズ側から訴えてくるような感覚に陥りました。都会っ子です。

1/250sec f/1.8 ISO125
SD 5000K
ナンバープレートは編集にて消してあります。

先ほどと同じ場所です。どうかすると開放近傍ではこの辺りの距離感が得意なのかと感じています。密度のある場所で浅い深度と合わせて行く方がレンズ側は好んでいるかもしれません。この前の02Bの逆ですね。

1/400sec f/2.5 ISO100
SD 5700K +マゼンタ10

空間の使い方、空間の抜き方がわかってくると使いやすい焦点距離と明るさと思います。

1/800sec f/2.8 ISO100
SD 5650K +マゼンタ10

中心の安定を探っています。被写体がこれだともう少し絞りたいが出てきました。

1/320sec f/5 ISO125
SD 5400K

遠景に対してf/5です。中心だけ見れば上々で、あとは周辺の妥協点をみつけて絞りを決定して行くと良いと思います。

1/20sec f/11 ISO100
SD 5400K +マゼンタ10

手前を抱えてガッチリ絞った画面。周辺までほぼ均一と思います。軸上収差も吹っ切れて、画質だけ言えば最大級の旨みが出ていると思います。

1/1250sec f/1.8 ISO100
SD 5600K

これだけ別日取材です。ヴィネットコントロールと自動ゆがみ補正はOFFです。四隅の光量見受けられます。

1/4000sec f/1.8 ISO100
SD 5700K

驚くべきなのは、この画面の上、見切れた場所に太陽があります。実力を感じます。

1/500sec f/11 ISO320
SD 5650K

いかにもこのレンズを起用しそうな場面の作例です。描写のピークはやはりこの辺りで、周辺まで描き切っています。

さてまとめをだな…

まとめと言いながら、またいろいろしゃべります。

ひとまず、28mmという焦点距離に対してf/1.8ですから、まずはシャッタースピードを稼げるわけです。これはズームでは実現できない明るさですから、これだけで動機になり得ます。そして、被写界深度としての利用もできて一度で二度美味しいわけです。

だいたいスマホの背面カメラの画角(諸説ある)ですし、FX機との組み合わせでは腑に落ちるところがある人が多いのではないかと感じています。これ本来は逆転で、筆者もなんともむず痒く感じていますが、敢えてこうやって書いております。もう世論はこっちの方が分かりやすいと考えております。

体感で35mmとどちらがしっくりくるかで判断して、あとは予算が許せばf/1.4のモデルなんかいかがですかと。

なんで買ったのさ、なんで28mmなのさ。

筆者としては昨年は35mmをメインで使っており、それもそれでよかったながら、夏の遠征で28mmを起用してからは、“近所なら35mmでいいけど、出かけるなら28mmやな”と。そこから宙に浮いたままだった投入計画をここで形にしました。

使い方は様々ですが、先ほども申したようにただ明るさを求めていくのではなく、被写界深度による空間の掌握を目指して投入した節があります。

広角レンズの浅い被写界深度で攻め込む際に、三次元的に撮影結果をイメージできるかで、撮影結果に大きな差をもたらすと考えています。簡潔に申し上げますと、“ピントの合っている範囲”が画面におけるどこからどこまでなのかを、上下左右でなく奥行きでとらえるということです。これまでファインダーでのぞいた景色は三次元(光学ファインダーならなおさら)でも、撮影結果は眠い二次元になってしまうことがありました。これについては被写界深度の話だけでなく、もっと全般的な撮影結果に及ぶ話です。

そこでもっと具体的な意識を持てたのが、昨年遠征で起用した28/1.8だったわけです。こやつはSigmaのAFの入っていない世代で、何より借りものでしたから、あくまでキッカケをつかむためでした。ついに自分で投入し、さらに純正のGタイプですから、余計に言い訳のできない状況を固めに行ったわけです。(ドM)

先ほど申した三次元的云々の話は別に広角だけでなく、標準、望遠、超望遠にまで応用できるものと考えています。望遠になればなるほど、焦点距離が大きくなるほどこの捉え方は難しくなっていくものであり、これを手っ取り早く、かつ分かりやすく可視化できるのが広角であったため、兎も角練習するため、あとは普通に欲しかったために購入した次第であります。

このレンズのはなし。    ―AF-S NIKKOR 28mm f/1.8G
1/160sec f/1.8 ISO100
SD 4600K +マゼンタ10

この距離感と被写界深度を使えるだけで投入のコストはペイできます。ひとまず筆者としては初めてのGタイプの単焦点だったため、良い方向のなるほどこんなもんかが得られました。

とにかく広い!よりも、狭くて密度の高い場所を切り取っていくほうが得意な気がしています。ヌケの良さもこれを後押ししていると思います。だからこそ都会で振り回すのが楽しいというか、メーカー自体も現代にアップデートしているわけで、これは当然といえば当然と思いました。決して自然に対する相性が悪いわけではありません。

非常に軽く、持ち出しに難儀しません。サイズも、前玉は67mmありながらもそれほど気にならないサイズで、むしろ画質による貢献を踏まえれば勝手に納得できます。D750との組み合わせも抜群で、この組み合わせならどこへ出かけても苦労しない気がします。

最短は25cmで、ここも不便を感じさせません。隙がない。

周辺を切ってx1.2でも33.6mmと広いのでこれでも使い途はあると思います。DXでは42mmですし。一本でできる仕事はやはり多いと思います。これより広いほうがいらないならこのレンズに50mmでもプラスすればおでかけには十分だと思います。

スイッチはM/A-Mです。常時MFが可能で、ピントリングは使いやすい回し量に調整されているので、速写性も申し分ありません。AFは言わずもがなです。

ナノクリスタルコートが入っています。これは大きなアドバンテージです。AF-S35/1.8Gとの最大の差別化はここです。

ヴィジュアルでの貢献度も高いと考えております。花形フードにナノクリスタルコートのN刻印、そして鏡筒の金のラインと、カメラとの組み合わせた際の見た目が良いです。

どうしてもひとつだけ気になるのはどうしても開放近傍で近寄った際の収差です。こればっかりはどうしても目に入るので、自分のボーダーまで絞って使うか、編集ソフトを投入して対策していくかになります。使い方次第では気になりません。被写体にもよるんですが…

投入コストもそれほどかからないので、お勧めしたいレンズではあります。適当な標準ズームよりも楽しさと表現の幅が広がるうえ、余計なフレーミングを考えずに済むので、フルサイズ機投入後の一本目にも良いと思います。単焦点ゆえのメリットですが、設計の新しいものが中古相場ではここまで安価に手に入るわけですし、新品だってあります。心強さと見た目の良さのバフもあります。適当な標準ズームを配備するならば、この一本で勝負した方が変に迷いません。これしか選択肢にないなら、これで撮るしかないんです。

これに50mmでもプラスできれば、特化したい被写体がなければ充分に楽しめると思います。

メインのお供にしろ、サブ機のつけっぱなし役にしろバランスよく性能が高いので、スポッとハマってくれると思います。

単焦点ですのでむやみに迷いません。絞りにだけ気を配っておけばとりあえず結果は出してくれます。あとは被写体との相性も相談したうえで起用してあげるとよいとおもいます。

8月のお出かけでは、つけっぱなしでバッグの最上段に入れておりました。何かあったら取り出して使い、また直ぐにしまう。これをルーチンとして回しておりましたので、非常に気楽でした。標準ズームもバックアップで連れて行きましたが、結局起用せずでしたので、簡単な旅行ならこのレンズだけで良いと言うことが改めて実感しました。現代人がスマホのカメラで撮るような感覚で運用していました。

気づいたら書き足していると思います。現段階じゃこの辺にしておきましょうか。

最終編集日:2025/8/18

メーカーページ

  • 焦点距離…28mm
  • 開放f値…f/1.8
  • 絞り羽根…7枚(円形絞り)
  • 最短撮影距離…25cm
  • レンズ構成…9群11枚(非球面レンズ2枚、ナノクリスタルコートあり)
  • フィルター系…67mm
  • レンズフード…HB-64
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