レンズの社説 17本目

ようやく気温が落ち着いたと言うまもなく気温が下がっています。

AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VRです。

ご縁があって借り入れてレビューしております。

D500で見て行きます。LightroomでRAW現像。

1/250sec f/4.5 ISO200 (70mm)
SD 5100K
1/125sec f/6.3 ISO200 (300mm)
SD 5100K

同じ場所から2枚続けて広角端とテレ端です。共に開放です。

広角端ではひとまずまとまりのある画面になっていると思います。

テレ端では少し甘いです。撮影距離は10mやそこらですが、大きくは気にならないと思います。。

1/320sec f/4.5 ISO200 (70mm)
SD 5100K

広角側開放です。露出差がある場面で、アンダーを持ち上げています。この辺りはデジタル設計らしさを感じます。

1/640sec f/6.3 ISO200 (300mm)
SD 4700K

テレ端の開放です。線はひとまず出ていて、このくらいなら…と思えます。手前から奥とぼけを意識しています。450mmにおける空間はこんなもんです。

1/200sec f/4.5 ISO400 (70mm)
SD 4100K

最短撮影距離は全域で1.1mと使いやすさがあります。ピントリングを目一杯回して近づいた場面。

広角端といっても換算で105mmですので人によっては狭いと感じます。

1/400sec f/9 ISO200 (300mm)
SD 4400K

これもテレ端ですが、一段絞るとしっかりと線が出ます。軸上収差だけ編集ソフトで補正してやると良いと思います。

1/320sec f/9 ISO200 (70mm)
SD 4800K
1/320sec f/9 ISO200 (300mm)
SD 4800K

これも二枚続けていきます。同じ場所からズームリングだけを動かした状態です。

70mmでは直撃ですので、ハレーションもほどほどに発生しています。ここはEDレンズの補正が効いていると思います。

テレ端では直撃は避けていますが、こちらも補正が良好です。

特別気を使う必要はなさそうです。

1/250sec f/9 ISO640 (220mm)
SD 5500K

中域の作例がないことに気づいてちょうどいいやと撮影したもの。鉄道撮影なら当レンズも選択肢に入ってくるだろうということで、それっぽいものです。

1/640sec f/8 ISO500 (135mm)
SD 5800K

135mmで遠景です。中域でも少し絞ればひとまず実用ラインと思います。

ちょうどいい。

使っている感覚で不満は特になく、とりあえず使えます。開放から一段は絞ると言う意識さえ持てれば、現状の手札次第で戦力になり得るポテンシャルはあります。

描写については特段突っかかるところはなく、自然体で使えます。200mm以降で被写体まで距離をとる場合は極力絞りたいです。

200mm以下であればほどほどの実力持ちですので、APS-C用の望遠レンズをお探しの方にはだいたいオススメできると思います。ただしD500クラスの機体ならば、レンズとの組み合わせでより良い成果を弾き出せる場合が存在するので、焦点距離と相談の上で決定した方がよろしいと思います。


APS-Cの利点として超望遠域への強みがあります。このレンズでさえ換算して450mmの数字を出せますから、コストを踏まえてもほとんど最善の選択肢といえます。対抗馬となり得るのはAF-S55-300/4.5-5.6Gあたりでしょうか。

小ささもさることながら、ステッピングモーターの内蔵に約四段分のVRを搭載。いろいろと小回りが効きます。

全体的にプラスチッキーで、かなり軽いです。正直D500とのハンドリングではレンズ側が負けるのでホールドには少し気を使います。D5000やD3000系統の機体と合わせるならばちょうど良いと思います。

気になるところなど…

レンズに全くスイッチ類がありません。したがってVRのON/OFF、AF-MFの切り替えがレンズ側でできません。VRについては動作を切ることは不可能。ここがネックで、取材のためとはいえ筆者はかなり気になりました。自動で流し撮りモードに入る雰囲気もないです。MF使用時はボディ側で設定する必要があります。

ほかにも気になるところはありまして、まず手にして気づくところで、このレンズはプラマウントです。おかげでかなり軽いです。あとは銘板がシールです。

ピントリングはゴム製の無限に回るタイプなのは人によって良し悪しあると思います。個人的にはそんなことより距離指標がないことの方が困ります。

この辺りはD5000系統のキットレンズであることを踏まえれば腑に落ちると思います。要するに層が違うと言うことです。

既存のラインナップと変わるところはテレ端の開放がf/6.3であることです。1/3段の差ですがこのおかげでかなりコンパクトになったと思います。

大切なことをここに記しておきます。このレンズはステッピングモーター搭載ですので使用できる機種が限られます。ご購入を検討される場合はお手元のカメラとニコンのホームページを参照してください。

もう書くことないや

特別悪いところもないです。というかそれでこそキットレンズとしては優秀なのだと思います。余計なことを気にせずに使えるわけですから、撮り手の仕事は減るわけです。スイッチ類がオミットされているのもそれが所以と思います。

ビギナーにとってほとんど一本目になる記念すべきニッコールですので、妥協は見られません。ただし要らないところは極限まで削ぎ落として、シンプルに使いやすくしたいと言う意図を感じます。

思い出したので書き足しておきますがステッピングモーターについて。

AF-S DX VR55-200/4-5.6G比では速くなったと思います。もともとのピントリングの回しの量が少ないのか、無限遠から呼び出した際の正確性はすごいと思いました。筆者はAF-S70-200/4Gを運用しておりますから、そこまでたいして変わらんとして片づけましたが、サードパーティからの乗り換えやこれより前のDXレンズ各種からの乗り換えならストレスフリーになると思います。D500のAFモジュールとの相性もあって、追従性はしっかりしていました。

と思って張り切って仕事振ったら思いっきり外したけど

小さい望遠レンズか、昼行限定でほどほどに使える超望遠をお探しの方にはおすすめできます。中古価格も安いです。新品販売が終了していることだけが難点です。まあカメラ屋をひたすら回って売れ残りがあるかどうか…

なんというかひたすらに優等生でできる範囲で真っ当に仕事をしてくるので、こちらも面と向かって評価したくなるだけの実力を持っています。ビギナーの貴重な撮影体験の場を、できるだけ邪魔をせず純粋に提供するための、とてもストイックなレンズでした。

メーカーページ

  • 焦点距離…70-300mm(35mm判で105-450mm相当)
  • 開放f値…f/4.5-6.3
  • 最小f値…f22-32
  • 手ぶれ補正…4段
  • 絞り羽根…7枚(円形絞り)
  • 最短撮影距離…1.1m(全域)
  • レンズ構成…10群14枚(EDレンズ1枚)
  • フィルター径…58mm
  • レンズフード…HB-77
Posted in ,

コメントを残す

WordPress.com で次のようなサイトをデザイン
始めてみよう