随分と気温が上がってきました。今年も夏がやってきます。
今回のご紹介は…
NIKKOR Z 24-70mm f/4 S です。
Zマウントへ舵を切るための第一歩として本邦初のZレンズとして満を持しての登場です。
Z6で見ていきます。
1/640sec f/5.6 ISO100 (24mm)
SD 4700K
まずは24mm側のf/5.6です。安定どころを探していますが、この画面ではひとまず気になるところがありません。
1/2000sec f/4 ISO100 (70mm)
SD 4450K
テレ側で開放、最短付近です。この画面で見てもキレが凄まじいです。絞り込んだかのような絵です。それでいて質感を損なわず、うまい具合に落とし込んでいると思います。
1/1600sec f/4 ISO100 (24mm)
SD 4450K
先ほどの画面からズームを引いていって今度は広角側です。幾分か収差が出るものだと思いましたがそうでもなく、実力を見せつけられたような気分です。
1/3200sec f/5.6 ISO400 (24mm)
Auto 5300K
Z6の絵作りもあってか、もうFマウントとは別次元のようにも感じられます。この抜け感は単焦点で感じるようなもので、数値で測れない部分においての進化を見ています。
ほとんど初めて持ち出した時のカットで、ここはあえてピクチャーコントロールをオートにしております。
1/3200sec f/4 ISO400 (24mm)
SD 4700K +マゼンタ10
開放でここまでやります。見ていただいた方が早いですが、ハイライトからシャドーまで、ここまでの情報を抱えた上で逆光の処理を必要最低限に止め、画像の質として素晴らしいものを見せてくれます。この辺りの表現は撮り手に驚きと可能性をくれます。
1/3200sec f/4 ISO400 (24mm)
SD 4500K +マゼンタ10
低い光線の直撃が得られたので、ここぞとばかりに逆光耐性を見ていますが、画像を見てびっくり。ゴーストが右下を拡大してようやく見つかるレベルに抑えられております。さすがというべきか、S-lineのレベルの高さが見えています。これがキットレンズなのです。
1/2500sec f/4 ISO250 (70mm)
SD 5100K
手前ボケから後ボケまで、ありがちなシーンです。70mmならf/4でも案外とボケます。気温がそのまま写真になったようという表現が一番正しいと、風呂に浸かっていて思いました。
1/2500sec f/4 ISO250 (24mm)
SD 5100K
そしてそのまま24mmへ。テレ側はともかく広い方での開放、そして近いピントでも収差がないので驚きです。f/4程度でもボケが使えれば画面から飛び出してくるような使い方もできるかもしれません。
1/2000sec f/8 ISO500 (65mm)
SD 4850K +マゼンタ10
絞り込んだ作例があまりなかったのでこちらを。安定で特にいうことがありません。温厚な気持ちで使っていられます。
あのね…
良いレンズといえます。間違いなく。手放しでお勧めできるレンズの代表で、これがキットレンズという事実もさる事ながらその価格に衝撃を受けるレベルです。ここまでやってしまうなら広角レンズはこれで良いのではないかというのが正直な感想です。
Z6のセンサーとの相乗もあるのか、非常に素直な写りをします。見たものを見たまま。使っているうちは終始この印象です。
FマウントのAF-S24-70/2.8Gも使った経験も踏まえて、とりあえず標準が欲しいならこのレンズが良いのではと思うほどで、Z6やZ5の価格も考えると、かなりZマウントも敷居が下がってきています。一眼レフよりもストレスがないのはZマウント機であるからという点も踏まえてもういっそ多少コストが上がっても、Zマウントおよびこのレンズを選択して欲しいと思いました。
やはりマウントそのものの口径が大きくなったのはかなり影響するようで、さらには電磁絞りのためFマウントの、特にGタイプよりも前の世代からはもう想像もつかない境地にいると言っても良いです。シャープネスは普通くらいに抑えている印象ですが、各焦点域でのキレは単焦点のそれに近く、衝撃を受けるファーストインプレでありました。
レンズ自体のヌケも凄まじいものがあります。 これを含めて光源の交わし方が上手く、コーティングもあるので場面を選ばずに使っていくことができます。
よくチューニングされている印象で、仕事に振ったようなシャープネスではなく、かと言って廉価レンズのような性能かというとそうではありません。妥協を作らずバランスよく能力を持っているような印象です。特に質感の付与がうまく、この辺はZレンズになって変わったところを取り入れているような感覚で、初心者から筆者みたいな変わった人まで万人受けしそうな仕上がりになっていると思います。
手頃な標準レンズが欲しければこのレンズを迷わず推します。
筆者はFマウントで問われた場合には各域のf/1.8単焦点に手を出してみて欲しいと答えを用意していますが、Zマウントでは現状これが一強であり、他も使ってみなければなりませんが、傾向性と利便性、そして画質の全てがこれほど高い次元で確立されているのは、ユーザーとして頼もしい限りです。これより上ではしっかり24-70/2.8が二世代しっかり用意されておりますので、物足りない皆様もご安心ください。
活躍してます。
うちではZ6とのタッグで、D5の死角を埋めるべくカメラバッグの一番近いところに常駐。D5をしまっても哨戒役として常に警戒体制を敷いています。当レンズが優秀なのももちろん、Z6の高感度とドライブ性能、ミラーレスカメラ特有の利点をフルに活かしながら、細やかな場面まで拾い切る撮影をすることができております。Fマウントの広角レンズを携帯せず、当レンズに広角をフルで任せることも多く、D5を望遠レンズでの任務に専任することができる面でも非常にありがたい存在となっています。
また、撮影以外での外出の際もZ6とこのレンズの組み合わせでちょっとした取材や撮影を敢行することができ、用途を選ばず使っていけます。
ちょっとばかり感じていること。
やはりZマウントに入ってからの絵作りには、これまでと一線を画する“質感の付与”があると感じていて、今回の取材でも、撮影した画像を見て、その時の気温、湿度、その場の空気全てが詰まっているような…そんな印象を持っています。もちろんボディ側の影響もあるとは思いますが…
撮り手が自分の写真を見返した時、撮影した時の心境、気温や空気を思い出すものです。そうして小さな思い出と共に確立されていくのが写真であり人間の記憶です。
デジタルとなり、一度にたくさんの記録が出来るようになった今になって、再びフィルムが若年層に人気なのはそう言った空気感を味わうためというのも少なからずあるものと考えます。そんな中で、デジタルカメラでもそのような、素敵な体験が出来るようになってきていると思います。普段はあまり写真を撮らない人にこそより色濃く残る、撮影した際の“匂い”のようなものを、感じやすくなっている、と勝手に思っています。
Fマウントばかり使っていたユーザーからすれば標準ズームにもつイメージを覆すような感覚です。
一言で言えばとことん真面目です。ただ、それがうれしい。
ニコンの標準ってお茶目なの多いんだよ…
メーカーページ
- 焦点距離…24-70mm
- 手振れ補正…なし
- 開放f値…f/4
- 最小f値…f/22
- 絞り羽根…7枚(円形絞り)
- 最短撮影距離…0.3m(全域)
- レンズ構成…11群14枚(EDレンズ1枚、ED非球面レンズ1枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコート、最前面のレンズ面にフッ素コート)
- フィルター径…72mm
- レンズフード…HB-85